里山から里川へ 4/16 |
いつもの休日は早く目覚めるのだが今日は疲れが溜まっていたせいなのか目覚めたら9時を回っていた。隣のベットのあやこさんはもうとっくにおきていない、あやこさんのベットの上には何故かハナ(G・レトリバー)が寝ていた。
遅い朝のコーヒーを飲みながら昨日から続く小雨の里山を眺めているうちに急に釣りに出かけたくなった。先日Sugiさんの里川の釣行記のせいなのだろうか、それとも少しだけ癒されたくなってきたのだろうか。身支度はためらいも無く、10年近く釣りに着続け所々に穴のあいたオーロンのラガーシャツを取り出す。ロッドも20年以上付き合っているバンブーを無意識に取り出していた。今年初めての川の釣りなのになぜか落ち着いて身支度をしている。
行き先はお隣、K町のA川、自宅から30分ほどの場所。車を目的地に向け走らせる。薄く霧がかかり萌黄色に染まった里山が目に飛び込んでくる。所々に山桜の薄化粧、隣の席に置いたデジカメになぜか手を出さずに心の中でシャッターを押し、数カットを記憶のアルバムに取りこむ。いつも川に向かうときの速度から比べ今日は異様に遅い速度で車を走らせている。時々ギアを5速に入れるのを忘れてしまう。小さな峠を越せばお隣K町、市街地を抜け山間部に車を向ける。進むに従い山の景色は暦が戻って行く。丁度日付を1週間ほど戻した山の景色の付近で車を川辺に向けた。
途中で購入した入漁券をライセンスフォルダーに、ミネラルウォーターをベストの背ポケットに入れていると急にお日様が顔をだしあたたかく私を川に迎え入れてくれた。煙草に火をつけリーダーをつけてている私の周りにペイティスのダンがお尻を重そうに下げ弱々しく飛んでいる。8Xのティペットにライトケイヒルのボディー色の#20ソラックスダンを結び、幾つかのライズの中から川を見たときから決めていたポイントに今年のファーストキャストをする。久しぶりの川のせいか上手くフィーディんグレーンに乗らず、遠すぎたキャストになってしまい少しラインを引き戻し修正する。フライが予定したラインに何とか乗り、さっきまでライズのあった場所でフライが消える。私の今年のファースト・キャストを18cmのヤマメが迎えてくれた。 |
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