ヘミングウェイの初期の作品に「二つの心臓の大きな川」という傑作短編がある。
先月末この短編のタイトルを冠した「Big Two-Hearted River」というブランドのケーン・ロッド作っている盛岡のビルダーを訪ね、幾本かのロッドを試し振りさせて頂く機会があった。作者の温和な人柄がそのまま表現されたかなようなロッド。結局工房で一番スローな「7'3" #3」を基準にし「7'
#3」に変更、アクションももう少しスロー気味に変更をお願いしオーダーした。
今週出先での時間調整の為にめったに買わない「BE−PAL」を買い車の中で読んでいたら、ブルックトラウトの紹介の中に「二つの心臓の大きな川」に関することが書かれているページを見つけた。
ヘミングウェイが友人と実際に釣った川は、「Two-Hearted River」ではなく、「Fox River」だという事は本のあとがきで知っていたが、BE−PALには対象魚がブルックであったエピソードが書かれてあった。
何という偶然。今回私が「Big Two-Hearted River」にお願いしたロッドは、奥日光・湯川でブルックと遊ぶ事を想定してお願いしたもの、今回の偶然が嬉しくなってしまう。
邦題が何故か「二つの心臓の大きな川」となっているが、「明と暗、生と死」相反するものが「Two-Hearted」の意味と理解している私には適切な邦題ではない気がしてならない。
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