ログハウスにあこがれて

ログの家に住みたいと思ったのは今から18年ほど前、最初の家を買って2年ほど経ってからのことでした。当時はまだログハウスと言わずにログキャビンと呼ばれていました。フライフィッシングとバックパッキングに明け暮れていた私達は、少なかったアウトドア関係の本に少し載っているログハウスの写真を見てはため息をついていました。
自然を感じて生活がしたい。電球と、薪ストーブ、シーリングファンがくるくる回っている、木枠の窓での生活がしたい。

これからログハウスをと思われている方のために、参考になれば幸いです。


ハンドカットとマシンカット
仕事の独立、家の買い換え等がありログハウスが現実味を帯びてきたのは今から10年ほど前のことです。いざログを建てようとしていくつかの問題が起きてきました。私たちにとってのログはセカンドハウスではなくファーストハウス、日常生活をそこで営む事です。コスト、建具の納まり、丸太の圧迫感等を考えるとマシンカットに行きついてしまいました。
マシンカットにも様々なスタイルがあります。北欧に多く見られる板状のもの、北米のDカット、丸太状にカットしたもの。私が選んだのは通常Dカットと呼ばれるタイプです。内面の壁は20数cm幅の板の横張りのようで外壁は丸太に見えるタイプです。
通常マシンカットのものはハンドカットに比べ機密性、断熱性に劣ると言われますが、ハンドカットで丸太径が30cmあっても上下の丸太どうしが接している幅は10数センチです。マシンカットで組み合わせがしっかりしていればハンドカット以上の機密性と断熱を得られます。
マシンカットの欠点は単調過ぎること、ハンドカットの雄大さとどっしりとした落ち着きはマシンカットでは到底無理な事です。長所は又欠点にもなります、もしログハウスを立てる予定のある方はぜひ体験宿泊をする事をお勧めします。

何処までを業者に頼むか
私たちが頼んだ業者は普通の完成引渡しと、キット販売の2種類のがありました。完成引渡し方式はある意味で建売と同じで、付帯設備の融通性がありません。結局キットを購入し地元の大工さんにお願いをする事にしました。これで台所や、照明の選択範囲が広がりました。地元の大工さんもログハウスは始めてで不安になり、購入契約にはインストラクターの方に10日間来ていただく事を条件で契約をしました。
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在来工法との違い
当たり前のことですがログハウスには柱がありません、1階の壁は中空ではなく無垢の木で出来ています。在来工法ですと電気工事は電線だけを壁の空間にあらかじめ配線しておき、内壁が終わってからコンセント、スイッチ等を取り付けます。ログハウスはこの様な電気工事をする事が出来ません。ログの組上げ前にスイッチの場所、コンセントの場所を決め、電線を通すための穴を丸太1本毎に開けながら組上げて行きます。当然電気工事にかかる日数、手間も多くなり、工事費は在来工法と比較し若干高くなってしまいます。在来工法ですと内壁を張る前であればコンセント等の移動は比較的簡単に行えます。ログハウスでは組上げてしまった壁のこの個所にコンセントをと思っても電線を通す方法がありません。
くれぐれも図面の段階で家具のレイアウトをしっかり行い、コンセント、スイッチの配置を決めておいてください。当然電話線の引きこみ、テレビのアンテナ線も同じ事が言えます。

意外にかかる基礎工事費
ログハウスは当然のごとく無垢材で作られています。この重量は在来工法での住宅に比べ相当な重量になります。基礎の幅も在来工法より幅広です。また1階のフロアまでを高くする場合も多く、通常の住宅に比べかなり割高な工事費がかかってしまいます。せっかくのログハウス基礎工事は妥協せずに信頼できる基礎にしてください。収納スペースの少ないログハウスの欠点を補うため、予算の許す限る基礎を高くする事をお勧めします。また地面からの湿気を防ぐ為にも基礎は高くする事をお勧めします。

サンデッキ
ログハウスのある意味での象徴サンデッキ、我が家のサンデッキは玄関前から続き4mX4mの広さがあります。近所の方との一寸したお茶のみ、日曜大工、バーベキューと大活躍です。古い農家に見られる土間の役割と、リビングを兼ねています。サンデッキの材料としては防腐材注入済みの材料を使われる事をお勧めします。デッキの床は塗料を塗っても歩き回るためにすぐに傷つき痛んでしまいます。高圧、高温で防腐剤を圧入した材料は殆どメンテナンスの必要がありません
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ロフトの換気
ログハウスは高気密、高断熱の建物です。冬の温かさには驚かれる事でしょう。これが災いし夏、一旦室内の温度が上がってしまうとなかなか温度が下がりません。特にロフトは建物の形状のため特に熱くなってしまいます。我が家の寝室もロフトにあり夏の温度はかなり高くなってします。屋根に天窓を設けるか、棟の高い所に換気扇を設置される事をお勧めします。我が家の工事の失敗の一つです。

照明器具
照明をあれこれ選ぶのも家を建てる楽しみの一つです。ログハウスの照明には白熱電球が似合います。蛍光燈ですと壁面が白くなってしまいせっかく木が持っている温かさを消し去ってしまいます。白熱電球の欠点は消費電力が多く、また夏は電球からの発熱も結構あります。最近は電球の形状で同じような発色の蛍光燈も売られていますので、希望の器具に電球型蛍光燈が交換できるか予め確かめておくと良いでしょう。

窓・サッシュ
私のこだわりの一つがペアガラス(二重ガラス)と、木製サッシュの窓でした。断熱と防音にはペアガラスの窓は欠かせません。また冬の暖房シーズンでも全く結露をしません。アルミサッシュの窓ですとガラス部分には結露しないのですがアルミの枠の部分には結露してしまいます。
湿気はログハウスの大敵です。我が家の窓は輸入窓枠で欠点は左右の開き戸ではなく、上下に開くタイプのものです。寸法も日本のものと異なりカーテンは市販のものを使う事が出来ませんでした。

塗装
木材の欠点は、カビの発生、腐食、風化、割れ、虫の害があげられます。これらの欠点を補うのが塗装です。当然ログハウスに向いた塗料は防腐、防虫、坊カビ性能が良い物が向いています。
塗料にはラッカー系の表面に皮膜を作り光沢を与えるものと、ステイン系の浸透し皮膜を作らないものがあります。皮膜を作るタイプのものは通気性がなくなり、木材の特徴を生かしきれません。ログハウスにはステイン系の塗料がお勧めです。代表的な塗料には「ガードラック」、「キシラデコール」、「シッケンズ」があります。


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